https://www.nikkei.com/article/DGXZQOUA2744M0X20C22A8000000/
岸田文雄首相のTICADでの演説要旨
岸田文雄首相のアフリカ開発会議（TICAD）での演説要旨は次の通り。
アフリカは若く、希望にあふれ、ダイナミックな成長が期待できる大陸だ。日本はアフリカと「共に成長するパートナー」でありたい。「成長と分配の好循環」などを通じ、強靱（きょうじん）なアフリカを実現していきたい。
今回のTICADでは「人への投資」、「成長の質」を重視する。官民合わせて今後3年間で総額300億ドル（約4兆1千億円）規模の資金を投入する。
具体的には、「アフリカ・グリーン成長イニシアチブ」に、官民で40億ドルを投資する。若者が取り組むスタートアップ（新興企業）にも焦点を当てる。最大約50億ドルのアフリカ開発銀行（AfDB）との協調融資を実施する。債務健全化の改革を進め、持続可能なアフリカを支援する。マラリアなどの感染症対策に最大10.8億ドルを拠出する。
アフリカと日本の未来を支えるのは「人」だ。保健、教育、農業など幅広い分野で、今後3年間で30万人の人材を育成する。
「自由で開かれたインド太平洋」の推進、国連安全保障理事会改革でアフリカとの連携を強化する。「核兵器のない世界」に向けても協働する。
ロシアによるウクライナ侵略は国際秩序の根幹を揺るがす行為だ。ルールに基づく国際秩序を諦め、力による一方的な現状変更を許せば、その影響はアフリカにも世界全体にも広がる。国際社会の前向きな歩みを後戻りさせてはならない。
ウクライナからの穀物輸出が妨げられ、アフリカの食料危機がこれまで以上に深刻なものとなっている。アフリカ開発銀行との協調融資で3億ドルの食料生産強化支援や20万人の農業人材を育成する。