“月見商戦”が本格化 外食各社 鶏卵引き合い強まる
外食チェーン各社が卵を使ったメニューを売り込む“月見商戦”が活発化している。高病原性鳥インフルエンザ多発による減産で、一部メニューの休止が相次いでいたものの、夏以降徐々に供給が回復。定番のハンバーガーにとどまらない多彩なメニューが登場する。需要の高まりを受けて、鶏卵相場も再び上げる気配が出ている。
各社の新商品では、卵と相性の良いすき焼きと組み合わせたメニューの提案が目立っている。
大手牛丼チェーンのすき家は、卵黄を月に見立てた「月見すきやき牛丼」(並650円)と「月見旨辛すきやき牛丼」(同)を12日に新発売。ラーメン店の「どうとんぼり神座」も同日から、「牛すき月見ラーメン」(990円~)を投入する。
幅広いメニューを展開し、商戦を盛り上げるのはケンタッキーフライドチキン(KFC)だ。「とろ~り月見チーズフィレバーガー」(490円)や「とろ~り月見チーズ和風カツバーガー」(同)など4種類をシリーズ化。「月見商品に本気を出した」(同店)と、卵ならではのとろりとした食感を前面に売り込む。
話題を集める和牛を使った高級バーガーも商戦に参戦する。銀座に店を構えるザ・バグースプレイスは9月限定ランチで「米沢牛の照り焼き月見バーガー」(1480円)を提供。ブランド和牛と半熟卵をぜいたくに組み合わせた。
需要期に入り、鶏卵の卸値も上昇傾向にある。建値となるJA全農たまごのM級基準値(東京)は9月上旬に10円上げ、1キロ290円となった。「月見商戦が始まった外食チェーン向けがけん引している。今後も強含みで推移する」(大手鶏卵卸)とみる。
https://news.yahoo.co.jp/articles/0df276662063a175cac3ffc34c7b8cdcf27be83d