能登地震なお1.4万人避難、避難所外にも7400人 孤立の恐れ
能登半島地震は2月1日で発生から1カ月となった。今なお約1万4600人が避難所に身を寄せるが、壊れた自宅や車など「避難所外」で生活する人が少なくとも約7400人いることが石川県のまとめで判明した。避難所にいる人の半分を超える人数だ。行政の支援が十分に行き届かずに孤立する恐れがあり、県が実態把握を急いでいる。
県は災害関連死を防ぐため、被災地の避難所にいる避難者を環境の整ったホテルや旅館に移す「2次避難」に重点を置く。こうした2次避難所を含め、避難所にいる人は31日時点で計1万4643人に上る。
ところが、県が推奨する2次避難をせずに避難所を離れる被災者が出始めている。集団生活がストレスになる▽介護が必要な家族やペットの同伴にためらいがある▽自宅の盗難被害を警戒している――といった理由とみられ、県が把握しているだけで7394人(30日時点)に上る。
内訳は、県内外の親戚宅など4425人▽自宅2867人▽車中泊102人。だが、こうした生活はリスクもある。狭い車内で長時間同じ姿勢を強いられる車中泊の場合、「エコノミークラス症候群」を発症する可能性がある。地震や津波で破損した家は、余震で倒壊する危険性が高い。避難所から離れると仮設住宅や炊き出しといった支援情報から遠のき、保健師らによる健康管理も受けられなくなる恐れもある。
県は19日から、こうした避難者を把握するため、連絡先や避難先などの情報を登録する専用の窓口を開設。無料通信アプリ「ライン」や電話で登録を促している。公的な支援金を受ける際に必要な罹災(りさい)証明書など、行政サービスを案内する予定だ。県が把握できていない人もいるとみられ、馳浩知事は「見守り活動を通じて支援につなげたい」と話す。
https://mainichi.jp/articles/20240131/k00/00m/040/364000c