「子どもがいる人ほど幸福度が低い」子育て期を過ぎてもその傾向が続く深刻な理由



図表1は、60歳以上の子どものいる既婚者と子どものいない既婚者の幸せの度合いを比較したものです。

なお、図表1では幸せの指標として、生活満足度を用いています。生活満足度とは、生活全般の満足度を0から10の11段階で計測したものであり、幸福度と並び、幸せの指標として多くの学術的研究で使われています。

この図のメッセージはシンプルです。

それは、「日本では男女とも、子どものいる高齢既婚者の生活満足度のほうが低い」ということです(この結果は、統計的な手法を用いて年齢、健康、夫婦それぞれの学歴・就業状態、世帯所得の影響を考慮しても変わりません)。

もちろん、子どもによる生活満足度へのマイナスの影響は、現役世代の場合よりも小さくなっています。ただ、マイナスの影響を持つ点は依然として変わりません。子どもの存在が高齢者の生活満足度の向上につながっているとは言い難い状況です。

高齢期においても子どもの存在が生活満足度を押し下げるというこの結果は、かなり衝撃的です。

子育て期ならまだしも、なぜ子育てが終わった時期でも依然として子どもの存在が生活満足度を押し下げているのでしょうか。
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