その実現には、10年間あきらめなかった発案者の存在があった。

「必ず売れる」信じたが

店舗でオーナーや店長らと日々語り合いながら、何か際立ったもの、独自性のあるもの、そしてローソンストア100の客層にあうものはないか――と考えた。
それが白いご飯とウインナーだけの弁当だったという。約10年前のことだ。

コンビニ弁当は300〜500円が主流。ここでも差別化ができる。「必ず売れる」と林さんは信じたという。

林さんは開発部門である商品部の米飯担当に相談。しかし、社内の反応はよくない。「弁当には『顔』が必要だ。ウインナーでは顔にならない」「見た目のバランスが悪い」「彩りがない」
「おかずの数が……」と散々だった。
「全員が『売れるの?』『うーん』という感じでした」(林さん)。

理想のウインナーを求めて

2016年、あきらめなかった林さんに会社もようやく動く。
近畿エリア限定でウインナー弁当の販売が決まったのだ。
林さんは当時、近畿エリアで店の売り上げを伸ばす業務の責任者。
「発案者=売る責任者」だからきっと懸命になって売るだろう、との判断だった。現在の形に近い商品も完成し、約5年間の思いがようやく日の目を見ようとしていた。



https://mainichi.jp/articles/20211122/k00/00m/020/288000c