<7割はヤクザルート、残りの3割はどこから来るのか>
他にもさまざまな逸話が明かされていくのだが、見逃すわけにいかないのが、“シナモノ(覚醒剤、大麻、コカインなどの麻薬)“が入ってくるルートについての証言。その7割はヤクザルートだというが、残りの3割がどこから来るかについて、和久井はこう明かしているのである。

「米軍。つまり在日米軍基地からの横流しだ。それも北朝鮮などから組織的にね。
 もちろんそれだけじゃない。在日米軍では、毎月、米兵に本国から仕送りができる。一人当たり一〇キロの積荷が認められている。検査もなく飛行機で直接、基地に運べる。このなかにシャブやコカイン、マリファナを忍ばせ、それをヤクザが買い取っているんだ」

北朝鮮と米軍基地には直行便があり、横田基地などを通じ、密輸ではなく堂々と“輸入“されているというのだ。相応の説得力があり、しかしその半面、にわかには信じられない話でもある。
著者もはなから信じることはできなかったようだが、調べた結果、少ないながらも北朝鮮と横田基地を結ぶ直行便が存在することを示す記述や画像を見つけることができたという。

また、本書ではそのことに関する何人かの証言も明かされている。例えば、ある米国政府関係者は、「あくまで米軍関係者から聞いた話だということをご了承ください」と前置きしたうえで、次のように話している。

「長く覚醒剤のシノギをやっていると、ヤクザ同士の横の繋がりからどこの組織が密輸した荷物かが分かる。でも最近は、出どころ不明のシャブが市場に出回っている。だから米軍経由で横田から入っていると確信していると、実際に基地でのシャブの取引に誘われたヤクザから聞いています」
「報道の通り、まず、北朝鮮から横田基地への直行便はあります。そして横田基地を拠点に麻薬が日本へ入って来ているのも、事実。空路もそうですが、海路も使われてる。むしろ海路の方が主流ですね」

https://news.yahoo.co.jp/articles/d7f74e6a16442ef43408e5e35e4ac8b59b1e5f1a?page=2