兵庫県稲美町で住宅が全焼し、小学生の兄弟2人が亡くなった放火殺人事件で、伯父の無職松尾 留与とめよ 容疑者(51)(殺人と現住建造物等放火の両容疑で逮捕)が、県警の調べに「兄弟の両親(妹夫婦)に対する憎しみがあった」との趣旨の供述をしていることが捜査関係者への取材でわかった。

 松尾容疑者は、同居家族がたてた物音に反発して部屋の壁を繰り返したたくなどしていたといい、県警は同居生活に不満を募らせていた可能性があるとみている。

 県警によると、松尾容疑者は稲美町岡の自宅で、妹夫婦と、その息子で兄弟の小学6年の松尾 侑城ゆうき 君(12)、小学1年の 真輝まさき 君(7)の計5人で数年前から暮らしていた。

 火災は仕事で外出中だった母親を車で迎えに行くために父親が家を出た直後に発生。捜査関係者によると、松尾容疑者はこれまでの調べに「妹夫婦が家にいなくなるのを待って、家にあったガソリンをまいて火を付けた」と述べていたが、新たに、妹夫婦に憎しみを持っていたとも供述しているという。

 松尾容疑者は普段からライターやカッターナイフを持って家の中をうろうろしており、同居家族が大きな音や声を出すと、自室でラジオを大音量で流したり、壁をたたいたりすることもあった。妹夫婦は亡くなった兄弟が松尾容疑者と接触しないようにしていたという。

https://www.yomiuri.co.jp/national/20211127-OYT1T50097/