米司法当局は22日、ハートウォーミングな話をでっちあげて、クラウドファンディングサイトで多額の金を集めたマーク・ダミコ被告(42)が、連邦裁判所で、通信詐欺の罪を認めたと発表した。

これによって、事件に関係した3人すべてが有罪を認めたことになった。

ダミコ被告は2017年、当時交際していたケイトリン・マクルア氏とともに、退役軍人でホームレスだったジョニー・ボビット氏の自立を助けると称し、GoFundMeでキャンペーンを立ち上げた。キャンペーンでは、マクルア氏が、フィラデルフィアから自宅のあるニュージャージー州に車で戻る最中、ガス欠を起こしたが、たまたま出会ったボビット氏が、なけなしの20ドルを提供してくれたことで、ガソリンを買い足すことができたと説明。寄付金を募って恩返しをしたいという心温まるストーリーだった。

この話は、メディアに大きく取り上げられたこともあり、ひと月もたたないうちに、1万4,000人を超える寄付者から、目標額の1万ドルをはるかに超える40万ドルが集まった。


しかし、話はでっち上げだったことが発覚。ニュージャージー州の連邦検察によると、マクルア氏は、ガス欠を起こしたこともなければ、ボビット氏は20ドルを提供してもいなかった。

2人は、キャンペーンを立ち上げる少なくとも1カ月前に、ボビット氏とカジノで知り合ったことも判明した。

さらに、カップルは、集まった金を自分たちが管理する口座に送金し、3カ月足らずで大半を個人的な支出に費やした。

出費には、BMWや高級ブランドのハンドバッグなどの購入、ニューヨークやラスベガス、グランドキャニオンへの旅行のほか、カジノで約85,000ドルを費やした記録が残されていた。2018年3月の時点で残っていた金は、わずか10,000ドルほどだったという。

なお2人は、ボビット氏の口座の開設も手伝ったが、振り込んだ金は2万5,000ドル足らずだった。

ほころびが生じ始めたのは、2018年8月。ボビット被告が代理人を通じて、20万ドル近くの支払いを求めて2人を訴えたことがきっかけとなった。

USA Todayによると、マクルア氏は、2019年3月に通信詐欺の罪を認め、ボビット氏もマネーロンダリングの罪を認めた。2人とも刑の宣告を待っている。これとは別に、3人ともに、州裁判所で有罪判決を受けている。

今回の発表で、検察は、ダミコ被告の罪について、最大で20年の禁錮および25万ドルの罰金を科される可能性があるとしている。量刑は来年3月28日に言い渡されるという。

なおGoFundMeは、2018年12月の時点で、集まった寄付金のすべてを寄付者へ返却したことを明らかにしている。
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