東京電力 福島第一原発の処理水放出へ 海底トンネルの調査開始

福島第一原子力発電所で増え続けるトリチウムなど放射性物質を含む処理水を放出するための海底トンネルの建設に向けて、東京電力は27日朝、海底の状況などを把握する調査に着手しました。

調査は27日午前6時に始まり、福島第一原発から1キロほどの沖合に作業船2隻を出しました。

この海域は、海底トンネルの建設に向けて行うボーリング調査の予定エリアで、センサーを使った磁気探査のほか、潜水士による目視での調査も行われ、障害物がないかなどを調査したということです。

東京電力によりますと、27日の作業は午後4時すぎに終了し、磁気探査は28日まで行うことにしています。

また、ボーリング調査は、早ければ来月1日に着手する予定です。

福島第一原発で増え続ける処理水をめぐって国は、基準を下回る濃度に薄めたうえで、2023年春をめどに海に流す方針で、東京電力は、海底トンネルを通して原発の1キロほど沖合から放出する計画を示しています。

一方で、処理水の海への放出については、風評被害を懸念する声が地元を中心に根強くあり、関係者の理解をどう得ていくかや、風評への実効性のある対策が課題となっています。

https://www3.nhk.or.jp/news/html/20211127/amp/k10013364791000.html