2020年に市町村が捕獲した特定外来生物「タイワンハブ」が過去最多の3317匹に上ったことが27日、沖縄県衛生薬務課のまとめで分かった。捕獲を開始した11年から9年間で約4倍に増えた。

 タイワンハブの捕獲数は19年から在来種のハブを上回っており、専門家は世界自然遺産登録地への侵入や外来種の定着で生態系への影響を指摘。「地域によっては、在来種から外来種に置き換わる可能性がある」と警鐘を鳴らす。(社会部・砂川孫優、北部報道部・當銘悠)

 県によると、中国南部や台湾などを原産とするタイワンハブは、1970〜90年代に「ハブとマングースの決闘ショー」で県内へ持ち込まれた。その後、個体の脱走や遺棄などで野生化した可能性が高い。

 低地から標高1500メートルほどの森林や集落など、幅広い環境に生息。毒は在来種のハブより強く、県衛生環境研究所によると、2010年から19年までに咬症(こうしょう)被害も16件発生している。

 捕獲数を見ると、県内で捕獲が始まった11年はハブが28市町村で2172匹だったのに対し、タイワンハブは4市町村で841匹。

 だが、20年は捕獲器を設置している35市町村のうち、タイワンハブは6市町村で計3317匹となった。内訳は本部町が1339匹と最も多く、名護市1134匹、今帰仁村391匹、恩納村378匹、読谷村74匹、宜野座村1匹と急増。一方、ハブは26市町村で2638匹だった。

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