南アフリカ隣国のナミビア、ワクチン大量廃棄へ…陰謀論はびこり接種忌避

アフリカ南部のナミビア政府は、各国から提供された新型コロナウイルスワクチン約26万8000回分を近く廃棄処分する。使用期限を迎えるためで、アフリカで接種が進まない実態が改めて示された。

 保健当局者が25日付の政府系紙で明らかにした。来年2月までに使用期限を迎えるアストラゼネカ製約5万2000回分とファイザー製21万6000回分が廃棄対象だ。ワクチン供給の枠組み「COVAX(コバックス)」提供分も含むとみられる。

 ナミビアでは、国民の間で接種忌避が広がり、接種完了者は人口の12%未満の29万5000人にとどまる。一方、国内で保管されるワクチンは80万回分を超える。

 隣国の南アフリカなどで新たな変異株「オミクロン株」が検出され、ナミビア政府は改めて国民に接種の重要性を強調している。しかし、首都ウィントフークのジャーナリストは「政府への信頼が低く、陰謀論がはびこっている」と述べ、接種の大幅な推進は難しいとの見方を示した。
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