プロ野球・福岡ソフトバンクホークスの和田毅投手のグラブを盗んだとして逮捕、起訴された清掃員の中浜英寿被告(23)=福岡県糸島市井原=が、他に同球団の千賀滉大投手やヤクルトの山田哲人選手らの道具も盗んだとして窃盗罪で追起訴されていたことが明らかになった。29日に福岡地裁で追起訴分の初公判があり、中浜被告は、盗品などの売却金額は計約1100万円に上ったと証言した。

 被告は8月19日午後7時半ごろ、福岡市のペイペイドーム内のロッカールームで、和田投手のグラブ1個(時価約10万円相当)を盗んだとして逮捕、起訴された。その後の調べで、同球団の千賀投手や今宮健太選手のグラブやバッティング手袋、セ・パ交流戦で対戦したヤクルトの山田選手のバッティング手袋を盗んだ疑いが強まり、窃盗罪で追起訴された。

 公判で検察側は、ドームで清掃員として働く被告が2020年6月ごろから、廃棄されたり、盗んだりした選手の道具の画像を買い取り業者に無料通信アプリ「LINE(ライン)」で送信して査定を依頼し、売却していたと指摘した。

 被告人質問で被告は、廃棄品と盗品の合計点数は約1500点で、売却金額が約1100万円に上ったと証言した。売り上げは、競艇やカードゲームなどに使っていたといい、被告は今後、ギャンブル依存症の治療などを受けることを検討していると明かした。

 検察側は「清掃員としての立場を悪用し、信頼を裏切った」として懲役2年を求刑。弁護側は、被告が罪を認めているなどとして執行猶予付きの判決を求めた。被告は「球団並びに選手、被害者に自分勝手な行動で迷惑をかけて申し訳ない」と語った。
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