山梨県、甲府市。
佐久本庸介さん(31)は統合失調症という病と10年以上闘い続けている。

統合失調症とは約100人に1人の割合で発症する原因不明の精神疾患のひとつ。
10代のころに発症し様々な症状に悩まされながらもがき続けた彼の壮絶な半生とは?

庸介さんは元々肌が弱く、肩や髪の毛にフケが目立っていた。
これが原因で多感な時期にクラスメートからのいじめの対象になってしまう。
この頃から庸介さんは友人とも距離を置くようになり一人でいることが多くなった。

気になるのは周りの会話。
人の悪口が聞こえると自分が言われているのではないか?と考えるようになってしまう。
結局、大学でも友達を作ることが出来ずうちで一人好きな絵を書くことが多くなった。
そして19歳の夏、思いもよらぬ事が起こった。

"どこからか自分を笑う声が聞こえる"

ある夜の事、肌をケアする薬を塗っている時の事、
誰かの声:「今日も塗ってるね」

誰かの声が聞こえた。
辺りを見渡しても誰もいない。気のせいか?
すると「塗るのやめたんだ?」と自分の状況がわかっている様子で再び声が聞こえた。

この声には聞き覚えがあった。
それは自分の部屋の隣に住むカップル

ドアの隙間など至る所を粘着テープでふさいだがまだ2人の声が聞こえる。
監視しているかのように自分を笑う声に庸介さんは苦しんだ。
様々な手段を考えたが状況は変わらなかったため庸介さんは父に相談。
父は庸介さんの部屋で監視カメラを探したが全く見つからない。
それよりも息子が異常な剣幕で訴える様子が心配となり引越しをさせることにした。

庸介さんはこれであの隣人の嫌がらせからも逃れられると思っていた。
しかし安心したのもつかの間、次は大学の講義中に自分をからかう声が聞こえてきた。
周りを見渡しても声の主は見つからない。

この時、庸介さんは「統合失調症」という病に侵されていた。

https://www.ntv.co.jp/gyoten/backnumber/article/20151021_01.html