ロシア、イギリスにある1つの懸念点──それは新たな変異だ。
その名も「ニューデルタプラス」。世界各国で猛威を振るったデルタ株の亜種にあたる。
昭和大学客員教授(感染症)の二木芳人さんの説明。
「デルタ株から派生した『デルタプラス』と呼ばれる変異株のたんぱく質に、さらなる変異が加わって『ニューデルタプラス』が生まれました。わかりやすく言えば、デルタ株の変異版です」
アメリカ食品医薬品局(FDA)の元長官、スコット・ゴットリーブ博士は10月18日、ツイッターでニューデルタプラスについてこう注意を呼びかけた。
《この変異株がより感染しやすいのか、部分的に免疫回避ができるのかを解明するために、早急な研究が必要だ》

二木さんが言う。
「そもそもウイルスは2週間に1回は変異を起こし、ウイルスが生き残るのにより効率のよい状態に変わっていきます。
それはデルタ株も同じ。詳しいことはまだわかっていませんが、ニューデルタプラスは従来のデルタ株よりも感染力が10%ほど強いといわれています。
すでにイギリスの症例の7〜8%を占めるとされます」
この先、日本にもニューデルタプラスが流入する恐れがある。国際医療福祉大学病院内科学予防医学センター教授の一石英一郎さんの指摘。
「海外との往来が増え始めた現在、これまでの国内の過去の事例からも、ニューデルタプラスが日本に流入する可能性は充分にあります。
ワクチン接種が進んだ日本も決して油断はできません」
第5波で日本を窮地に陥れたデルタ株より強力なウイルスが国内に流入したら、悪夢の再来は免れない。

「ウイルスは弱肉強食で、弱いものが淘汰されて強いものが蔓延します。なので、いったん感染拡大が止まっても、より強力なウイルスが出現して感染が広がる可能性がある。
この先、日本に流入するかもしれないニューデルタプラスも同様です。
イギリスと同じ変異株ではなく感染を繰り返し、さらに強力に鍛えられた『スーパーニューデルタプラス』となって日本にやってくるかもしれません」
https://www.news-postseven.com/archives/20211028_1702410.html