「現金志向が強いから」ではない…日本でキャッシュレス決済が広がらない根本原因

『日本経済新聞』の調査によると、2020年2月10日〜3月8日と、5月4日〜17日のデータを比べると、最も利用が多かった決済手段はクレジットカードで、全体の36.2%を占めた。この期間に1.9ポイント増えた。現金は、2.8ポイント減の31.7%だった。

それに対して、「ペイペイ」や「LINEペイ」などQRコードを用いるスマートフォン決済のシェアは、0.1ポイント減の7.4%に留まった。

対面決済が減っているため、伸びなかったのだ。「Suica」など電子マネーの利用額のシェアは、0.8ポイント増の18.4%となった。タッチするだけで支払えるため、QRコードの決済などと比べると堅調だった。

電子マネーについて日本の場合の基本的な問題は、手数料が高いことだ。

経産省が平成29年に公表した調査でも、店舗がキャッシュレスを導入しない理由としては、「手数料の高さ」が最多だった。

とくに高いのがクレジットカードだ。各社はそもそも加盟店手数料を開示していなかったが、実態は最大7%程度の場合もあった。

法人企業統計調査によると、売上高・営業利益率(売上高に対する営業利益の比率)は、全産業で4.26%だ(2020年1〜3月期)。
小売業、飲食サービス業、生活関連サービス業、娯楽業ではさらに低く、2.5%程度でしかない。カード決済の手数料が7%では、大幅な赤字になってしまう。

https://president.jp/articles/-/52091?page=1