「眼中になかった」維新の猛攻 辻元清美氏敗北、大阪10区でなにが
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衆院大阪10区で、立憲前職で党副代表の辻元清美氏(61)が、維新新顔で前大阪府議の池下卓氏(46)に敗れた。辻元氏が小選挙区で負けるのは、民主党が下野した2012年の衆院選以来で、比例復活も果たせなかった。抜群の知名度を誇り、「党派を超えた政治家個人の力」での当選を自負してきた辻元氏でさえ、維新の猛攻をはね返すことができなかった。

■「最後のとりでなんです!」

 「大阪は維新の候補者が勝つ勢いだと報道されている。最後の一つ、なんとか持ちこたえられるかどうかという瀬戸際が、この大阪10区。大阪の最後のとりでなんです!」

 選挙戦最終日、10月30日夜の阪急高槻市駅前(高槻市)。辻元氏は演説で「最後のとりで」というフレーズを何度も使って、声を張り上げた。

 維新が掲げる「大阪から日本を変える!」とのキャッチコピーを引用し、「みんなが支え合う、セーフティーネットを大事にする、カジノをやめる。そんな大阪に変われば、日本が変わります。大阪の最後のとりでを一緒に守ってください!」と支持を訴えた。

2週間前は違った。

 衆院が解散された10月14日。辻元氏は高槻市内で演説後、池下氏について記者団に問われ、「あんまりね、他陣営のことは気にしない方なんです。維新はローカル。ローカルな維新は眼中にないんですけどね」と言い切った。

 選挙戦序盤の演説の力点は、岸田政権にどう対峙(たいじ)するか。

 維新に関しては、ツートップである松井一郎代表(大阪市長)と、吉村洋文副代表(大阪府知事)が推し進めるカジノを含む統合型リゾート(IR)について「しっかり歯止めをかける」と演説で述べる程度だった。