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【総力取材】愛知中3刺殺 SF好き14歳がキレた「生徒会と修学旅行」

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《10日前 修学旅行後に包丁をネットで…周到な計画》
《同級生が明かす少年の趣味と「応援演説の現場」》
《市そろばん大会優勝、小6卒業文集に「将来は海外で」》

 同校3年生・A(14)の部屋を、クラス担任と学年主任の教員2人が抜き打ちで訪問したのは、その初日夜のことだった。

「携帯電話を持って来ているよね」

 担任らはこの日午前、他の生徒から、Aが旅行に持ち込みを禁じていたスマホを持参していると聞き、確認に訪れたのだ。

「持って来ていません」

 担任らが何度尋ねても、Aは首肯しようとしない。

「その言葉を信じたいから鞄の中を見せてくれる?」

 Aが観念したように従うと、直前まで触っていたのだろうか、鞄の内側に光るスマホ画面が見えた。

「これは預かります。残念だけど、話はこれでおしまい。修学旅行を楽しんで」

 学校側はこの一件が他の生徒に伝わらないよう配慮し、もともと口数の少ないAも、そのことを周囲には洩らさなかった。

 2日目の15日、一行は福井の永平寺や県立恐竜博物館を回り、16日は班行動で金沢の名所を散策。午後、帰路に就く。こうして修学旅行は、滞りなく全行程を終了したはずだった。



「事件の約10日前に殺害を考えました」

 11月24日、同級生の伊藤柚輝君(14)を校内で刺殺し、殺人容疑で逮捕されたA。これは、その供述の一部である。10日前といえば、ちょうど修学旅行の日程と重なる時期だ。

「Aは旅行中、スマホ持参を注意された件で『疎外感を覚えた』といい、『嫌なことが続き、今の生活がどうでもよくなった』とも供述。修学旅行の一件が犯行に至る分岐点になったと思われる」(捜査関係者)

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