和歌山で震度5弱 よぎる南海トラフの危機「驚いた」

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2021年12月3日 19時57分

和歌山県内で3日午前、震度5弱を観測した地震。

 各地で激しい揺れに見舞われた。甚大な被害はなかったが、発生時、近い将来起こるとされる南海トラフ巨大地震の危機が頭をよぎった県民も多く、「驚いた」「改めて備えを」などの声が聞かれた。

窓ガラス約40枚にひび割れの被害が確認された御坊市役所。窓ガラス以外にも、壁材に使うタイル数枚がはがれるなどの被害が確認された。

市によると、現庁舎は昭和48年に使用を開始。すでに50年近く経過しており、現在の耐震基準は満たしていなかった。新庁舎の建設を進めている最中に今回の地震に見舞われた。

地震発生直後、大半の職員らは来庁者を速やかに避難誘導するなどして対応。庁舎外に避難した職員も、しばらく待機し、安全を確認した上で通常業務に戻った。

情報化推進室の谷野昌之室長は、地震発生時について「今までの経験の中で、一番大きな揺れだった。机の下に潜ることもできず、揺れが収まるのを待つしかなかった」と恐怖を振り返る。

秘書室の木下義規室長も「大きな揺れが20秒くらいは続いたと思う。この辺りでは小さな地震は割と起こるが、記憶の中では、今日の地震が最も大きい」と驚いていた。秘書室では窓ガラスにひびが入る被害が出た。財政課では、ガラスに亀裂が入る「ピキピキッ」という音を聞いた職員もいた。

市内の商業施設「オークワロマンシティ御坊店」では3階の水道管が破裂し、一部で水漏れが発生。天井も一部破損し、職員らは清掃作業に追われた。この影響で3階のボウリング場は営業中止となった。

市内の道路脇に置かれていた石像も倒れた。

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田辺市役所では、市が契約した工事を検査する検査員室や税務課、財政課、市議会第1委員会室などで窓ガラス計20枚がひび割れした。

市役所や龍神行政局、中辺路行政局などの施設ではエレベーターが緊急停止した。危機管理局の原雅樹局長は「揺れの規模から南海トラフ巨大地震ではないと感じたが、どれくらいの被害があるか心配になった」と振り返り、「地震はいつ起きるのか分からないことを肝に銘じ、対策を講じる必要があると改めて感じた」と強調した。