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【1】注目の記事

■望月衣塑子が尋ね、金平茂紀が語る
筑紫哲也とその時代

本誌編集委員でもあったジャーナリスト・筑紫哲也さんが亡くなって13年が経つ。筑紫さんが18年間、キャスターを務めたTBSテレビの看板ニュース番組「筑紫哲也NEWS23」は、自由な発想による忖度なしの番組作りが今も語り草になっている。その制作現場で筑紫さんは何とどう格闘したのか──番組編集長を務めた金平茂紀さんが当事者たちに取材し、『筑紫哲也「NEWS23」とその時代』(講談社)を上梓した。テレビ報道だけでなくジャーナリズム全体が社会の信頼を失いつつあるいま、この記録は、ジャーナリズムの根源的な力とその可能性を改めて問いかける。新聞記者の望月衣塑子さんと金平さんが語り合った。

【2】 編集長後記

筑紫哲也さんは1984年から87年まで、朝日新聞社の硬派週刊誌『朝日ジャーナル』の編集長を務めた。コラムのタイトルは「多事争論」で、後にTBSの「筑紫哲也NEWS23」でも、筑紫さんが時事問題を語るコーナーとして受け継がれた。

多事争論とは、たくさんの人がさまざまな議論を戦わせることで、福沢諭吉の言葉だ。一つの事象に一つの答えなどないと、常々思ってきた。少しでも多くの人がさまざまな議論を戦わせることで、よりよい答えを導き出していくことが重要ではないかと、私自身は思う。ジャーナリズムの世界では特に肝に銘じなければならない言葉だ。

今週号では、筑紫さんとともに「NEWS23」を作ってきた金平茂紀さんと望月衣塑子さんの対談を掲載した。筑紫さんの仕事を題材に、ジャーナリズムの過去・現在・未来について反骨の二人が語り合った。筑紫さんが亡くなってから13年が過ぎたが、あの頃と今とで、ジャーナリズムの役割が決して変わったわけではない。(文聖姫)