https://www.nikkei.com/article/DGXLASDG14H4S_U6A011C1MM0000/

電通に立ち入り調査 社員過労自殺で労働局

広告大手の電通に勤めていた女性社員が自殺し、労災認定された問題を受け、東京労働局の過重労働撲滅特別対策班は14日午後、東京都港区の同社本社や支社など計4カ所に抜き打ちで立ち入り調査した。調査は労働基準法に基づく「特別監督指導」と呼ばれるもので、労働管理の実態を調べる。

新入社員だった高橋まつりさん(当時24)が自殺したのは昨年12月。三田労働基準監督署(東京)は直前の残業が大幅に増えたのが原因として労災認定した。

高橋さんは同年10月以降、うつ病を発症。発症前1カ月の残業時間は月105時間だったと認定された。同労働局は同社の労務管理体制に問題がなかったか詳しく調べる。悪質な法令違反などが見つかれば、刑事責任を問われる可能性もある。

電通では1991年、男性社員(当時24)が過労が原因で自殺。遺族が提訴し、最高裁が会社側の責任を認めている。

電通広報担当者のコメント 立ち入り調査を受けたことは事実。当社は全面的に調査に協力している。