小林化工の社長「従業員の雇用は守らなくては」 自力再建を断念し資産譲渡、会見で胸中語る

12/4(土) 11:17配信

 福井県あわら市のジェネリック医薬品(後発薬)メーカー小林化工は、製造を再開することなくサワイグループホールディングス(HD)=本社大阪府大阪市=に製造拠点や従業員を譲り渡すことになった。

製造する医薬品に睡眠導入剤成分が混入し、多数の健康被害が判明して12月4日で1年。

3日に会見した小林化工の田中宏明社長は「再生への道のりは遠く、現状の体制を維持するのは困難と判断した。従業員の雇用は守らなくては」と、自力再建を断念した胸中を語った。



 【小林化工の法令違反】2020年12月、製造する医薬品への睡眠剤混入による健康被害が発覚した。

服用した245人から健康被害の報告があり、2人が死亡した。

福井県や厚生労働省の立ち入り調査があり、製造・品質管理などで多数の法令違反が判明。県から2021年2月9日、製薬会社への行政処分としては過去最長となる116日間の業務停止命令と業務改善命令を受けた。

その後、医薬品の承認申請書類の虚偽記載なども明らかになり4月、厚労省から12製品の承認取り消しと業務改善命令を受けた。