https://www.asahi.com/sp/articles/ASPD533TTPD5UTIL003.html
東京都内で6月に開催が予定されていた「表現の不自由展」をめぐり、主催者側に脅迫メールを送り付けたとして、警視庁は5日、兵庫県尼崎市の40代の男を脅迫容疑で逮捕し、自宅を捜索した。捜査関係者への取材で分かった。

展示会をめぐっては、主催者に抗議の電話やメールが殺到したほか会場の周辺で中止を求める街宣行動が相次ぎ、会場を変更した末に中止になった。

 捜査関係者によると、男は東京都新宿区などで開催される予定だった「表現の不自由展」について、実行委員会の関係者に「危害を加える」といった趣旨の内容のメールを送り付けて脅した疑いがある。
警視庁は、男が展示会の内容に不満を持ち、開催をやめさせようとしたとみている。

 関連作品の展示をしていた名古屋市の施設では7月、送り付けられた封筒が破裂する事件があり、施設は一時的に閉鎖された。
展示を予定していた大阪市の施設にも7月、脅迫文や不審な液体が届いた。
この施設は、抗議の電話や街宣活動の影響を受けて使用許可を取り消していたが、その後、大阪高裁が使用を認める決定を出し、厳戒態勢のもとで開かれた。

 警視庁は尼崎市の男について、名古屋、大阪の事件への関与の有無を慎重に調べる。(藤牧幸一、岩田恵実、鶴信吾)