
コロナ禍で減収穴埋め「農業を副業」参入広がる…人材の定着カギ
https://www.yomiuri.co.jp/local/kyushu/news/20211124-OYTNT50010/
人手不足にあえぐ農業の現場に、会社員などの本業を持つ人が副業として参入するケースが増えている。
新型コロナウイルスの影響による減収の穴埋めや働き方の変化が一因だ。
全国農業協同組合連合会(JA全農)などではこうした動きに着目して人材活用を進めており、農業を支える新たな人材として定着できるか、注目が集まっている。
「将来の蓄えを」
「この列も採りましょう」。大分県竹田市の畑で10月下旬、キャベツの収穫が行われた。
大玉を傾け、芯の根元の部分を包丁で次々に切り取る。
農家から委託を受けた農作業受託会社「 菜果野 アグリ」(大分市)の社員と、同社と雇用契約を結んでいる人ら計8人が、手際よく繰り返していた。
このうち、県内のイベント企画会社に勤める30歳代男性は10月から休日を利用して働き始めた。
コロナ禍で仕事が激減し、会社の給与だけでは生活費を捻出するのがやっとで不安を感じたという。
農業は初めての体験だったが、「その日にお金をもらえるので助かる。将来の蓄えを少しでも確保したい」と汗を拭った。
「大分モデル」
農家から受託した会社が収穫などの作業を雇用契約した人に担ってもらう。
JA全農大分県本部が2015年度に全国に先駆けて始めた。
コロナ禍以前は約200人が契約し、大半が主婦や学生、フリーターだった。コロナ禍で契約者数は1・5倍になり、会社員などの本業を持つ人が目立つようになった。委託農家数も増えた。
JA全農は今春、旅行大手JTBと協定を結び、大分県のモデルを広めている。
人手が必要な作業を農家らから聞き取り、山形ではサクランボの収穫、福島ではキュウリの選果といった作業を実施。宿泊施設の従業員らが集まった。
旅行会社にとっては、外出自粛で打撃を受けた観光業の人材を取り込めるほか、農業と組み合わせた商品開発につながるとも考えた。同種の企画は今年度中に10道県以上で行われる予定だ。