フェミニズムがなぜ誤解されがちなのか、僭越ながら愚考してみた
https://www.news-postseven.com/archives/20211128_1709998.html?DETAIL

 情報化社会の浸透により、おそらく過去になかったスピードで世の中は変化している。コラムニスト・石原壮一郎氏が考察した。

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「フェミニズム」には、どれだけ感謝しても感謝し過ぎということはありません。その考え方や視点は、間違いなく世の中をいい方向に向かわせてくれています。「フェミニズム」をベースに、勇気を出して声を上げてくれた方々や行動を起こしてくれた方々のおかげで、今の日本はたとえば昭和の頃と比べて大きな変貌を遂げました。

 男女を問わず私たちひとりひとりも、たくさん気づきを得て、意識や日々の言動が変わってきています。セクハラやマタハラや容姿をネタにすることに対しては、はっきり怒っていいという認識が広まったし、「女性らしさ」や「母親らしさ」を押し付けたりその呪縛に苦しんだりする人も、昭和と比較すればはるかに減りました。

 育児や家事の分担、賃金格差や雇用差別、議員や管理職における男女比率の不均衡などなど、まだまだ課題は山積みです。しかし、多くの人は「このままではいけない」「男女差別はあってはならない」「平等な世の中をめざすべきだ」という認識は持っています。それもこれも「フェミニズム」のおかげと言っていいでしょう。