「お墓のサブスク」がグッドデザイン賞…十三回忌までの法要と清掃管理を定額で

 三重県松阪市の仏壇仏具販売店「 佛英堂ぶつえいどう 」が考案した定額で一定期間お墓が利用できるサブスクリプションサービスが、暮らしを豊かにするデザインを表彰する今年度の「グッドデザイン賞」に選ばれた。

 「お墓のサブスク」は小型の墓石を27万5000円(税込み)で購入し、骨つぼを納めて寺に預け毎月3300円(同)を支払うと、百か日から十三回忌までの法要と清掃管理を寺が行ってくれる新たなサービス。

 墓を新規に建てると墓石代だけで平均169万円かかるといわれる。高額な上、寺とのかかわりが薄いとの理由で、遺骨を手元に置いたままにしている人も少なくないという。

 お墓のサブスクは安価なだけでなく、好きな時にお参りでき、引っ越しなどの際には預け先の変更や解約もできるのが特徴だ。解約の場合、遺骨を引き取るか永代供養墓に移すかを選ぶこともできる。今年4月にサービスを始め、これまでに県内と愛知、大阪、福岡など10か寺と提携、5件の利用があった。

 同賞は日本デザイン振興会が1957年に創設。サービスなど無形のものも対象に含まれ、今年度は5835件の応募があり、1608件が選ばれた。

 専務の野呂 英旦ひであき さん(35)が1日、竹上真人市長に受賞を報告。野呂さんは「考案した仕組みが評価されたことはうれしい。利用者がお寺を移動できるメリットを生かすため、3年後には提携寺院を100に広げ、600件の利用を目指したい」と話している。
https://www.yomiuri.co.jp/economy/20211203-OYT1T50000/