12月1日、安倍元首相は台湾で開かれたフォーラムにオンラインで参加し講演した。しかし台湾ではあまり報道されず、むしろ批判が目立つ。台湾が「中華民国(台湾)の領土」と位置付けている尖閣を「日本の領土」と主張したからだ。

◆安倍元首相の講演を報道しないようにする台湾
 12月1日午前、台湾の民間シンクタンク「國策研究院」で安倍元首相(以下、安倍氏)は「新時代の日台関係」というタイトルで基調講演を行った。

 日本では安倍氏が「台湾有事は日本有事であり、日米同盟の有事でもある」と言ったとして非常に大きく取り上げられ、手柄として礼賛されている。

 ところが肝心の台湾では報道しないようにしているだけでなく、むしろ批判が目立つ。

 まず、報道しないようにしている証拠として、台湾政府「中華民国」外交部のウェブサイトをご紹介しよう。ここに書いてあるその日のその日の主たる出来事は毎日アップデートされるので、日にちが経つと前のページを捲(めく)らなければならなくなる。その面倒を省くため、「12月1日」前後の外交部ウェブサイト画面をキャプチャーして以下に示す。https://news.yahoo.co.jp/byline/endohomare/20211206-00271381