https://www3.nhk.or.jp/news/html/20211206/k10013376771000.html

11月の中古車取り引き価格 10年で最高水準 新車生産滞り品薄に

11月の中古車の取り引き価格は、新型コロナウイルスの影響がなかったおととしの同じ月と比べて31%上昇し、この10年で最も高い水準となりました。半導体をはじめとした部品の供給不足で新車の生産が滞ったため、中古車市場にまわる車が減り、品薄になっていることが要因です。

中古車オークションの運営会社で最大手のUSSによりますと、11月、会社が仲介し取り引きが成立した中古車の平均落札価格は、1台当たり93万8000円でした。

新型コロナウイルスの感染拡大の影響がなかったおととし11月と比べると31%上昇し、この10年で最も高い水準となりました。

中古車市場の関係者によりますと、半導体不足に加え、ことしの夏以降、東南アジアの感染拡大で深刻化した部品不足の影響で新車の生産が一時滞ったことから、買い替えに伴って中古車市場にまわる車も減り、品薄になったことで、取り引き価格が押し上げられているということです。

さらに、新型コロナで停滞していた経済活動が再開する中、アジアやアフリカで日本の中古車の需要が高まっていることも、価格の上昇につながっているということです。

専門家「価格 落ち着くまでに少なくとも1年」
中古車市場に詳しい東海東京調査センターの杉浦誠司シニアアナリストは「日本の中古車は品質が高いと評価され、海外から引く手あまただという事情もあり、輸出が堅調な状況が続いていることも、価格高騰の背景にある」と述べました。

そのうえで、今後の見通しについては「部品の供給不足は少しずつ改善し、車の生産は回復しつつあるが、新たな変異ウイルス『オミクロン株』などで工場の操業が再び不安定になる可能性がある。車を買いたいという需要は日々積み上がっていて、中古車価格が落ち着くまでに少なくとも1年はかかるとみている」と述べ、中古車価格の高騰が長期化するという見方を示しました。