ドイツ新政権に漂う「嫌な予感」…最大の懸念材料は緑の党の環境政策と外交手腕
大嵐の中の船出となることは間違いない
https://gendai.ismedia.jp/articles/-/89945

以下抜粋

左派政権が吉と出るか、凶と出るか

9月の総選挙以来、連立協議に臨んでいたSPD(社民党)、緑の党、自民党の3党だったが、11月24日にようやく共同施政方針が発表された。
それを見ながら私は、日本で2009年に始まった民主党政権をまざまざと思い出した。
ドイツは果たして大丈夫だろうか? 日本の民主党政権下では迷走が続き、あまり大丈夫じゃなかった。

来たる政権は、アンペル(信号)連立と呼ばれる。それぞれSPDが赤、緑の党が緑、そして自民党(FDP)が黄色を党のシンボルカラーとしているからだ。

首相に就任するのはSPDのオラフ・ショルツ氏。ちなみにSPDは言うまでもなく左派で、緑の党はそれよりもさらに左。
一方、自民党は自由市場経済や国民の自主性を重んじる党で、保守に近い。つまり、資本家を敵とみなす緑の党とは極めて相性が悪い。

ドイツにとってはもちろん、EUにとっても、果てはEUと足並みを揃えることの多い日本にとっても、それが吉と出るか、凶と出るかが、まったくわからない。

実は、前回の総選挙の後、つまり4年前の今頃、やはり自民党と緑の党は連立交渉に加わっていた。
ただし、当時は社民党とではなく、メルケル首相率いるCDU(キリスト教民主同盟)と。
メルケル首相が緑の党との連立を切に望んでいたと言われる(今ではメルケル首相の左派へのシンパシーは周知の事実)。

ところが4年前は結局、緑の党と自民党が折り合えず、連立交渉は破綻。

このためにリントナー氏が払った代償は大きかった。ドイツのジャーナリストには緑の党のシンパが多いため、
彼らの恨みを買ったリントナー氏は以後4年間、「政治を放棄した政治家」としてメディア界のサンドバッグになった。

つまり、今回はその教訓もあり、自民党も、また緑の党も、何が何でも連立政権を成立させるという固い決心で臨んだ。

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