鹿児島市の県立高1年の男子生徒(当時15歳)が2014年に自殺した問題で、学校に安全配慮義務違反があったなどとして、男子生徒の遺族が鹿児島県を相手取り、約4500万円の損害賠償を求めて鹿児島地裁に提訴した。

提訴は11月9日付。訴状によると、男子生徒は14年6月頃から、賞味期限切れの納豆巻きをカバンに入れられたり、スリッパを隠されたりした。その後、夏季補習を繰り返し無断欠席するなどし、同8月に自宅で自殺した。

遺族側は訴状で、担任はスリッパを隠されたことを認識しており、丁寧な聞き取りをして学校全体で対応していれば、心理的苦痛を認識できたなどと主張。学校側は、欠席を繰り返していることを保護者に知らせなかったなどとしている。県は「訴状の内容を確認して、対応を検討していく」とした。

この問題を巡っては、県教育委員会が設置した第三者委員会が17年、「自殺の原因となるいじめの存在を特定できない」とした報告書を公表。その後、遺族の要請で県が設置した再調査委員会は19年、県教委第三者委の結論を覆し、「いじめが自殺に大きな影響を与えた」とした。

https://www.yomiuri.co.jp/national/20211207-OYT1T50059/amp/