大分市は7日、市立小中学校6校の修学旅行で、引率した校長が宿泊先の大分県内のホテルでロイヤルスイートルームに宿泊していたことを明らかにした。通常の室料は税込み1泊13万2千円だが、市教委は旅行会社に確認したとして「旅行代金に13万円が上乗せされているわけではない」と説明している。

 同日の市議会一般質問でスカルリーパー・エイジ市議(53)が質問した。市議によると、市立小学校で11月末にあった修学旅行の「しおり」に記された宿泊先の図面と部屋割りに、校長の部屋が「ロイヤルスイートルーム」とあるのを見た保護者から「税金が使われているのではないか」といった疑問が出たという。

 ホテルによると、この部屋は168平方メートルあり、ジェットバスなどが備えられている。市教委とホテルによると、部屋割りは学校側の「子どもと教員を同じフロアに、校長の部屋はミーティングのため広めにしてほしい」といった要望に沿ってホテル側が決めており、スイートルーム宿泊は学校側の要望ではないという。料金についてホテルは、学校側が示す規定額に収まるようにしていると話した。

 エイジ市議は一般質問で「このような高級な部屋に泊まるのは一般的に考えられない。職務である引率で、このような宿泊は正しいのか疑問だ」と指摘。末松広之教育部長は「校長を含む教職員と児童が支払った金額は同額。児童および保護者に疑念を抱かせてしまい申し訳ない。校長会などで綱紀粛正が図られるよう指導する」と答弁した。

 エイジ市議は「保護者や市民の感情からすると、おかしいと感じるはずだ。子どもたちも校長先生が13万円の高級な部屋に泊まったことを知っており、教育上どうなのかと思う」と話した。(中沢絢乃、村上伸一)

朝日新聞 2021年12月8日 8時50分
https://www.asahi.com/articles/ASPD76V43PD7TPJB00B.html