違和感から10年、統合失調症と診断

手先が器用なMさんは、20代から30代にかけて、清掃や倉庫での梱包作業に従事していました。男性社員との関わりが多い職場のためか、ミスの指摘や業務効率化のためアドバイスをもらう中で、次第に男性に対して「怖い」と感じるようになっていきました。
Mさんは、職場でのストレス状態が高まり、これまでにはなかった男性の声の幻聴が聞こえ、上の空になるタイミングが増えていきました。

40歳を迎える頃、仕事を退職したMさん。その後は引きこもりがちになってしまい、その時やっと心療内科に相談しようと決心しました。
診断は、統合失調症。通院中には、医師の勧めで障害者手帳も取得をしました。
統合失調症の症状が出てきてから、初めて心療内科を受診するまで、10年の年月が流れていました。

家族から「就職を焦らないでいいから、今後のためにどこか相談に行ってみては?」という一言があり、そこで、就職について相談先を見つけるためサポート制度や施設を探しました。最初に足を運んだのは市区町村が運営するサポートセンターでした。

そして、時給100円の工賃を頂けるB型作業所に通い出し半年ほどの間、男性の声で「お前は就職できない」と幻聴が聞こえることが多々ありました

作業所に着いたらまず体のストレスサインのチェック。そうすることで「今日は幻聴があるかもな」と事前に予測ができ、心の余裕につながったそうです。

幻聴の声は、いつも後ろから聞こえるような気がするため、部屋の中央ではなく壁側の席を常に利用したり、それでも幻聴が聞こえるときには、スタッフと一緒に声の方向に振り返り、幻聴は、現実に起きていることではないと確認したりしました。

こうした日々の工夫から、不安要素が減り、だんだんと通うペースも安定していきました。

今では立派にボールペンを組み立てられるようになりました

https://works.litalico.jp/interview/case/109/