知能指数(IQ)と発達障害の関係

天才と聞くと、多くの方は知能指数(IQ)の高い人をイメージするのではないでしょうか?

発達障害とは、生まれつきの脳機能の偏りによって、心身の発達等の様々な側面でアンバラスが生じている状態です。知能指数(IQ)の検査において、発達障害者は平均値を下回っていたり、アンバランスな数値を出したりします。

一方で、偉大なる功績を成した研究者や企業のトップ、芸術家等の「天才」のうち、発達障害に強く当てはまる人達は多いです

発達障害の診断に使われる代表的なウェクスラー式知能検査をもとに、IQと発達障害の関係について解説します。

ウェクスラー式知能検査は、知能指数(全体的IQ)を言語性IQと動作性IQに分け、平均値を出します。さらに言語性IQは、言語理解と作動記憶、動作性IQは知覚統合と処理速度の※4つの下位能力に分けられます。

IQ100を平均値とし、IQ70未満は知的障害と診断されます。知能研究のターマンは、IQ140以上の者を天才と定義しました。


言語性IQとは、知識や言葉の理解から、耳で聴く情報を理解する等、言語にまつわる能力です。
動作性IQとは、目に見える情報をすぐに理解・記憶する、手や体を動かすことが得意等、感覚と運動に関する能力です。

具体的には、パズルや間違い探し等の視覚的な認知が得意、非言語的サインを理解できる、手作業が素早く器用な人等は、動作性IQが高いとされます。

発達障害の場合、言語性IQと動作性IQ、下位能力の間に大きな数値差が見られます

特定のIQは突出している、にも関わらず他の特定IQが平均を大きく下回る現象を、ディスクレパンシー(乖離)と呼びます。
ディスクレパンシーが10~15以上ある場合、発達障害の可能性は非常に高いです。

発達障害者の場合、IQ全体の内、特定のIQは平均
一方、別のIQは平均をかなり下回る等、大きな乖離(ディスクレパンシー)を確認できます。

IQの高い人が天才、IQの数値が低い人は能力が低い、という方式は必ずしもイコールではありません。知能には、多様な側面と可能性が秘められています。
・むしろ、人並みにできないことが多くても、特定分野で非常に高い能力を発揮できる方が、発達障害には多いです

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