年末掃除中の転落注意 12月は搬送者2〜3倍 脚立やはしご「控えて」・消費者庁

 エアコンや浴室の天井など普段手を付けない場所を大掃除する年末は、転落事故が増える傾向にある。

【図解】掃除中の事故による救急搬送者数

 消費者庁は、特に高齢者の負傷が多いとし、脚立やはしごを使った高所作業を極力控え、可能なら他人に依頼するよう呼び掛けている。

 東京消防庁によると、東京都内(島しょ部などを除く)では、2019年までの5年間に計3909人が掃除中の事故で救急搬送された。

 月別では12月が計643人と突出しており、他の月の約2〜3倍に上った。また、搬送者全体のうち60歳以上が62.7%を占め、高齢者の負傷が目立っている。

 重傷や死亡など、軽傷で済まなかったケースは35.8%に上った。消費者庁に報告があった事例では、59歳の男性がはしごを掛けて自宅の雨どいを掃除しようとしたところ、はしごが滑り約2メートルの高さから落ちて腰椎を骨折。
79歳の男性は自宅2階の窓拭き中に約4メートルの高さから落ち、肋骨(ろっこつ)や胸椎の骨折、肝臓の損傷などで入院した。

 消費者庁の担当者は加齢に伴う身体・認知機能の低下により、「とっさの対応を取るのが難しくなる」と指摘。伊藤明子長官は「バランスの取りやすい用具を使い、安定した場所で無理なく掃除してもらいたい」と話している。 

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