https://www.mitsui.com/jp/ja/topics/2021/1241740_12154.html

世界初、スタンドアローン方式の5Gと ダイナミック周波数共用システムの接続実験に成功
-限りある周波数資源の有効利用による社会貢献を目指し、共創を通じた事業化検討を開始-

三井物産株式会社(本社:東京都千代田区、社長:堀健一、以下「三井物産」)とソニーグループ株式会社(本社:東京都港区、会長 兼 社長 CEO:吉田憲一郎、以下「ソニー」)は、世界で初めて※1ソニーの保有するダイナミック周波数共用(Dynamic Spectrum Access:DSA)技術※2をスタンドアローン方式の5G※3環境下で動作させることに成功しました。これに合わせ、三井物産とソニーは同技術を活用した周波数資源活用にかかる事業化検討の覚書を締結しました。

事業化検討の背景について
5GやWi-Fiなどの技術革新により、産業用途でのワイヤレス利用は日々拡大し、データトラフィックは爆発的に増加しています。一方で、周波数資源は有限であり、その逼迫が社会課題となりつつあります。こうした社会課題の解決のために、周波数資源の利用を最適化する技術として期待されているのが、ダイナミック周波数共用技術です。これまで周波数帯ごとにそれぞれ管理されていた電波を、データベースで一元管理し、既存事業者・利用者への電波干渉を抑制しながら、時間的および空間的に遊休となっている周波数帯域を別の事業者・利用者に割当てることが可能となります。
すでに欧米では、ダイナミック周波数共用技術の社会実装や地域・場所限定の4G/5G(プライベートLTE、ローカル5G)用周波数割当て・環境整備が進んでおり、現在この流れが世界的にも広まりつつあります。
こうした周波数資源割り当ての多様化に伴い、ダイナミック周波数共用技術による周波数管理の自動化や産業用途での新たなユースケースやイノベーション創出が期待されており、三井物産とソニーは両社それぞれの強みを生かし、事業化に向けた検討を開始することにしました。

両社の実績と共創の狙いについて
三井物産は、幅広い産業を事業領域として多角的なビジネスを展開しており、都市のスマート化の動きに対応したICTを利用した社会インフラ構築ビジネスや、アジアなどの新興国の生活向上に向けた持続可能なインフラ構築を多数手掛けています。また、子会社である三井情報株式会社を通じ、産業用途でのワイヤレス利用の拡大を見込み、日本の先進的なプライベートネットワーク利用スキームであるローカル5Gを推進しています。

ソニーは、早期よりダイナミック周波数共用技術の研究開発に取り組み、実績を上げています。大規模な社会実装の世界初の事例である米国CBRS(Citizens Broadband Radio Service)※4において、3.5GHz帯(3GPP B48/n48)の周波数管理サービス(遊休周波数割り当て、電波利用許可、最大送信電力等の運用パラメータ指定等)の商用提供の認可※5を米国連邦通信委員会(FCC)より受けています。またこの認可に基づき、同国にてCBRS用データベースSAS(Spectrum Access System)※6の運用を行っており、商用レベルの優れた技術や多数の重要特許を保有しています。

三井物産とソニーは、これら両社の強みを生かし、日米欧に加え、アジアなど幅広い地域で、周波数の有効活用モデルとそれを実現する先端的なビジネス及び技術プラットフォームを構築することを目指し、その可能性を共に検討していきます。また、検討を通じて、新たな事業を創出することで、今後も増加するワイヤレス需要を満たし、社会に貢献していきたいと考えています。