日立製作所と仏アルストムは9日、英国の次世代高速鉄道計画「ハイスピード2(HS2)」の車両54編成を受注したと発表した。
車両の製造と12年間の保守契約を合わせ、受注額は約20億ポンド(約3000億円)。欧州で次世代の高速鉄道車両を受注するのは
日本勢で初めて。日本の鉄道技術の海外展開に弾みが付くことになる。

両社の共同事業体が受注した。HS2の営業最高速度は時速360キロメートルと欧州最速で、東北・秋田新幹線の時速320キロメートルを上回る。
日立にとって、英国では都市間高速鉄道向けに計866両を受注した17年以来の大型受注となる。

日立は鉄道事業の本社機能を英国に置く。
15年に鉄道車両を手掛けるイタリアのアンサルドブレダ、信号などを手掛けるアンサルドSTSをそれぞれ買収し、欧州中心に事業を拡大してきた。
8月には仏電子機器大手タレスの鉄道信号事業を買収することを決めた。

HS2は首都ロンドンを起点に北方のマンチェスターなどを結ぶ構想だ。
中部バーミンガムまでの1期とさらに北方への延伸の2期に分かれ、一部の工事は始まっている。
総工費1000億ポンド(約15兆円)超との試算もあった大型プロジェクトだが、新型コロナウイルス禍などで工事が遅れているほか、
路線を縮小するなど混乱が続いている。

https://www.nikkei.com/article/DGXZQOGR09C5Z0Z01C21A2000000/