注目すべきは、中国の出方だ

 以上をどうみるか。

 日本から見て心配なのは、なんと言っても、中国がどう動くかである。

習近平総書記はプーチン氏がウクライナに侵攻すれば、かねて触手を伸ばしていた台湾に侵攻する絶好のチャンスと見るかもしれない。

私は、その可能性は十分ある、とみる。

 そうなったら、米国はウクライナと台湾の2正面に対応しなければならなくなる。

当然、台湾への対応が手薄になるからだ。

ただし、2正面作戦と言っても、手を出すのは、あくまでロシアが先で、中国は後だろう。その逆ではない。

 中国が「戦わずして勝つ」を命題とした「孫子の兵法」を信奉しているのは、よく知られている。

全体情勢を冷静に判断して、自分に有利な状況ができるまで、辛抱強く待つ。いざ戦いを始めるときには、敵は戦意を喪失して、勝利が決まっている。そんな戦略である。

中国―台湾の関係と似ている

 本題に戻る。