動画
https://youtu.be/frLc0tWto4M

日本でトップクラスに面白いイベントといえばもちろん「居酒屋甲子園」。外食産業を元気にすべく、全国の居酒屋チェーンが「我々の店はこんなにキラキラしてんだ!」「働くことってこんなに素晴らしいんだ!」とアピールする恐ろしい大会だ。いわゆる外食系ブラック企業の気味の悪い部分が凝縮された、凄まじい世界観が繰り広げられており、「洗脳」「気持ち悪い」「ヤバい」「社畜の極北」などイベントを絶賛する声は後を絶たない。

その中でも僕が“伝説のプレゼン”として推したいのが第8回大会で披露された「居酒屋てんてん」のプレゼンである。その宗教っぽさやグロテスク度は、これ系の行き着く先とさえ言えそうだ。

●いきなり出てきた人の目がヤバい(3:35〜)
店の紹介VTRが一通り終わると、てんてんのオレンジ色のユニフォームを着た男が登場する。この男の目がヤバい。いわゆるブラック系企業の中間管理職に居がちな「人を殺しそうな鋭い目なのに不自然にニコニコ笑っている」…あの恐ろしい感じがプンプンと出まくっているのだ。スピーチ内容もヤバい。

●致命的なミス(4:10〜)
社員が順番にスピーチをしていく際、とある男性が起こしたミス。水鉄砲を上に掲げながら話している姿が素晴らしいその男性は、喋り方がどこかたどたどしくこちらをハラハラさせる。そして案の定、途中でスピーチが息詰まり、言葉が出なくなってしまう。その瞬間が凄まじい。もはや事件の記録だ。資料映像だ。頭が真っ白になり焦っていく人の表情が、グロテスクなまでに生々しくカメラに収められている。そのスリリングさは、かつて立川談志が何年もやり続けてきた定番の演目を、舞台上で忘れてしまい、そのまま落語がストップしてしまったあの瞬間に似ている。談志はそのときに落語家を引退することを決意したそうだが、この男性は恐らく人生の引退、すなわち死を決意したかもしれない…。長い沈黙のあとの一言「仲良くなりましたぁ」の威力たるや…。目をそむけるな。これが人間だ。

●「い〜っぱい楽しんでいってくださいねぇ〜!!」(5:10〜5:20)
悪夢だ。いったい何がどうなれば、この日本にこんな空間が出現するんだ。助けてくれ。こんなもの見せられたら一瞬で気がおかしくなってしまう。

●地獄へようこそ(6:45〜8:00)
ついに地獄が出現した。ここから一連の流れは完璧。もう言葉で説明できるレベルではない。本当になんでこんなことになってしまったのか?誰がいけないのか?俺がいけないのか?

●ハッピーエンドにまっしぐら。感動のクライマックス(13:50〜)
終わりそうな感じが出てきてから、本当に終わるまでが長い。