その結果、「自民党」の政策パッケージだと提示された場合、そのパッケージを選択する確率が跳ね上がることを、図3の青色の点は示している。しかも、パッケージの中に自民党以外の政党の政策が含まれていても、「自民党」というラベルがあれば、つまり政策パッケージを自民党が掲げていれば、そのパッケージを選ぶ確率が10ポイントほど増えるのである。

例えば、外交・安全保障の共産党の政策は、「安保法制の廃止、軍縮へ転換、敵基地攻撃能力の保有に反対」というものである。赤い点が示すように、政党名が表示されない場合、この政策は明らかに支持されていない。しかし、共産党の安保・安全保障政策が含まれていても、パッケージに「自民党」というラベルがつくだけで、回答者は50%よりも有意に高い確率で選ぶのである。

つまり自民党は、マニフェストで提案されている政策とは関係ない理由で、有権者の支持を得ているのである。それは、自民党だけが政策を実施できる能力を有しているという有権者の判断かもしれないし、自民党が長年培ってきた利益誘導政治が浸透しているからかもしれない。

マニフェストで議論される争点とは関係なく、国庫補助金をより多く地元に配分してくれる、あるいは様々な規制を通じて雇用保障をしてくれるという、有権者の期待かもしれない。ただ単に、他の政党よりは「マシ」というイメージがあるからなのかもしれない。

長いからソース コンジョイント分析

https://business.nikkei.com/atcl/gen/19/00351/120200011/