胎児の心臓病手術に成功 国内で初めて 国立成育医療研究センター

 国立成育医療研究センターは13日、母親の胎内にいた赤ちゃんの心臓病「重症大動脈弁狭窄(きょうさく)症」の手術に国内で初めて成功したと発表した。赤ちゃんは7月の手術後に帝王切開で生まれ、母子ともに経過は良好だという。

 センターによると、赤ちゃんは心臓の左心室の弁の間隔が狭く、全身に血液を送りづらいため、生まれた直後から心不全を起こすおそれがあった。このため、手術では妊娠25週の母親の腹部からカテーテルを通し、弁の間隔を広げた。この病気は1万人に3〜4人の割合で見つかるとされる。

 胎児治療は、生まれた後の治療では手遅れになりうる病気を薬や手術で治すものだが、対象の病気は限られている。ただ、生まれる前に病気を見つける検査の技術が近年向上し、治療の選択肢が増えることに期待が高まっている。

 同センターは2019年から臨床試験として今回の手術を準備。5例の実施を目標にしており、安全性と有効性の高い治療法の確立をめざしている。
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