袴田は一日12時間から14時間に渡る長時間の取り調べにも音を上げず、否認を続けた。清水警察は拘留期限の約3分の1が経過した頃から、拷問を始めたという。取調室には子どもが用を足すおまるのような簡易便器が持ち込まれ、排せつは捜査官が見ている前でしろと命じられた。便意に耐えている下腹に向かって何度も何度も警棒が打ち据えられ、袴田は自分の糞尿にまみれるという屈辱を強いられたと語った。

「顔を殴られ、投げ飛ばされ、蹴られ、意識を失うと水をかけられ、また棍棒で何十回も殴られるという責め苦が連日続けられました。意識は朦朧として記憶が飛びます。私が自白したとされる9月9日までの23日間、清水警察署は悪魔の館でした」

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