「日本人として、自分のルーツ、松本という名字はどこからきたんだろう、まずはそこから調べはじめました。どんどん歴史にハマってね。
学校では、勝った人たちがつくった歴史を中心に教わってきたけど、負けた歴史は知らないな、と思って、そういう本ばかり読んだ。
物部が負けた、蘇我が倒された。平家の落ち武者伝説、その人たちの血筋は……とか、調べていくと、やっぱり命を繋げること、生きるっていうことが重要だな、と考えるようになって」

こうして得た知識が、体文字ギャグにしていた「漢字」にフィードバックされ、独自の解釈も加わって、ゴルゴのオリジナルコンテンツとして蓄えられていったのだ。

「例えば、『難』の字。苦難、困難、災難とか、難が無いことが“無難”じゃないですか。でも、これを難が有るにしたら“有り難う”なわけです。
これを日本人は、1000年前から使い続けてるんですよ、有り難しって。コロナ禍になってからテレビで見たんですけど、実際に人間ってね、ずっと平和の中にいると、感謝しなくなるらしいんです。
誰かに助けられたりしないと感謝の念が湧かない。なるほどね、だから『難』がないと『ありがとう』って言えないんだな。このありがとうという感謝の言葉をこの漢字に当て嵌めた日本人は、すごいんですよ」

https://news.yahoo.co.jp/articles/e66bd3ca4d85c82b0560609d5fba9264e0f13859