悪石島 震度5強からあすで1週間 専門家「落ち着きつつあるが注意を」[12/15 19:59]

https://www.mbc.co.jp/news/article/2021121500053381.html

鹿児島県十島村の悪石島で震度5強の地震が発生して、16日で1週間。地震の専門家は「群発地震は落ち着きつつあるが、引き続き同じ程度の地震に注意が必要」としています。15日の島の様子を取材しました。

全校児童・生徒9人の悪石島小中学校です。13日に授業を再開しましたが、登校しているのは小学2年生の児童1人のみで、避難している子どもたちはリモートで授業を受けています。15日は、先生や島民と一緒に元気にサッカーをしていました。

悪石島では今月9日の地震で震度5強を観測し、海に面したがけが崩れたり、売店の商品が棚から落ちたりする被害がありました。トカラ列島近海では、今月4日以降の地震の合計はこれまでにおよそ300回に上り、島民ら75人のうち、12世帯30人が島の外に避難しています。
十島村は島外避難の期間について、地震の状況や島民の意向を踏まえて検討するとしています。

(消防団員)「(震度5強は)震度4とは違う縦揺れだった。島に残っている人がいるので避難誘導を消防団がするので、若い人がいたほうが力になれるのかなと思い島に残る決断をした」

島では16日まで鹿児島赤十字病院の看護師が各家庭をまわり、心のケアなどにあたっています。
(看護師 田之畑有紀さん)「夜が眠れないという人が数人いるので、不安な気持ちはとりきれないのかなという印象」

地震地質学が専門で、鹿児島大学の井村隆介准教授です。トカラ列島の悪石島と小宝島の間は海底にトカラギャップと呼ばれる境界があり、地盤がひと続きでないため、周囲から力がかかると地盤がずれやすい、いわば“地震の巣”だといいます。

地震の回数は減っているものの、今後、数週間程度は、震度5クラスの揺れに注意が必要と指摘します。

(井村准教授)「有感地震の数はどんどん減って終息の方向に行っていると思うが、悪石島・小宝島に住む限り、今回の群発地震での揺れに限らず、震度5くらいの地震はいつでも起こりうる。大変なことではあるが、揺れで不安になるが命までは奪われない。揺れた瞬間は何もできないので、揺れる前に本棚やタンスなど今一度確認を」

そのうえで、現在、島外避難している人が島に戻るかどうか考える際、「不安やストレスがより少ない方を選ぶことが大切」と話します。

(井村准教授)「普段と違う生活をしているので、島にいて地震に遭うストレスと、島外で生活することのストレスの兼ね合い。島に帰る不安と避難先の不便をてんびんにかけ判断するのが一番。そういう意見を吸い上げて行政が判断するのが重要」
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