ネット広告業界に「Xデー」が迫っている。広告配信を支える技術として広く使われてきた「サードパーティークッキー」にメスが入るのだ。複数のウェブサイトを横断して閲覧履歴を追跡することで、個人の趣味や嗜好を推測できる仕組みのことだ。

 企業にとっては便利である。だから世界中で当たり前に使われるようになった。しかし、個人から見るとどうか。以前に見た商品やサービスにまつわる広告が違うサイトでも表示されると、まるで広告に追いかけられているようで気味が悪い。

 プライバシー保護の観点からサードパーティークッキー廃止の機運が高まり、米アップルは2020年に同クッキーを完全にブロックした。米グーグルも23年には廃止すると発表。「サファリ」「クローム」という2大ブラウザーがそろってクッキー規制に動いたことで、ネット広告は大転換を迫られる。企業やマーケターは、クッキーに代わる「定石」を探さなければならなくなった。

https://business.nikkei.com/atcl/gen/19/00395/120700005/