フランスのカステックス首相は17日、新型コロナウイルスのオミクロン株が急速に拡大しているとして、飲食店や病院などの利用をワクチン接種者に限定すると明らかにした。年明けに関連法案を国会へ提出するという。追加接種を促そうと、3回目接種の時期を1カ月前倒しし、2回目接種の4カ月後から打てるようにする。

 フランスでは15日、1日あたりの新規感染者が6万5千人に達した。カステックス氏によると、これまでオミクロン株の感染者は少なくとも数百人確認されており、「年明けにはオミクロン株が大半を占めるようになる」と述べた。

 カステックス氏は、ワクチンの未接種者がなお人口の1割近くにあたる約600万人いるとして、「数百万人のフランス人が接種を拒むがために、国全体を危機に陥れ、大半の国民の日常を損なうとは許しがたい」と主張。未接種は「もはやあり得ないことだ」と批判した。

 これまではカフェやレストランの利用には接種証明か陰性検査結果のどちらかの提示で済んだが、来年からは接種証明のみ有効にする。未接種者は美術館や映画館の入場や、緊急搬送以外の通院、長距離電車などの利用ができなくなる。マクロン大統領は昨年末、「我々は啓蒙(けいもう)の国だ。理性と科学に導かれなければならない」として、ワクチンの強制は不要との考えを示していた。

 カステックス氏は、年末年始に大人数での会食を控えるよう国民に呼びかけたほか、花火などの催しも中止するよう自治体に促した。

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