https://news.yahoo.co.jp/byline/ryouchida/20180717-00089626

小中のエアコン設置 いまだ半数 暑くても設置率1割未満の自治体も 莫大な予算が課題

猛暑がつづいている。室内にいても、エアコンなしには過ごすことができない。

 ところが、今日もまた全国の約半数の公立小中学校では、エアコンがない教室で、子どもと先生が授業時間をいっしょに過ごしている。しかも、エアコンが完備されている自治体と、ほとんど設置されていない自治体があり、子どもの教育環境に大きな不公平が生じている。
エアコン(冷房)の設置状況については、文部科学省が公立校を対象に、おおよそ3年に1回ずつ全国調査をおこなっている

 普段子どもが授業を受ける普通教室のエアコン設置率は、公立小中学校の場合、1998年は3.7%にすぎなかったのが、最新の2017年の調査では49.6%にまで上昇している。温暖化が進むこの20年の間に、普通教室のエアコン設置率は、大幅に高まった。

 ただそれでもまだ設置率は、全国の教室の半数にとどまっている。汗だくの教室が、全国のあちこちにあるということだ。
さらに深刻なのは、設置率の都道府県格差が激しいことである。

 小中学校における普通教室の設置率をグラフに示してみると、都道府県によって設置状況が大きく異なっていることがわかる
 設置率がもっとも高いのは東京都で、99.9%(27,118室のうち27,116室)と、ほぼすべての教室にエアコンが備え付けられている。次に高いのが香川県で、97.7%(3,467室のうち3,387室)と、こちらもほぼ完備と言える。他方で、同じ四国でも愛媛県は5.9%(4,745室のうち278室)と、ほとんどの教室がエアコンなしである。
公立小中学校における都道府県格差の大きさは、公立高校の場合と比べると、よりはっきりと見えてくる
 公立高校における普通教室のエアコン設置率は、全国で74.1%に達している。東京都や京都府、大阪府、鳥取県、高知県、沖縄県は100%である。

 グラフの凸凹に着目すると、小中学校と高校とのちがいは明瞭である。

 小中学校の場合は、都道府県によって棒グラフの高低がばらばらである。だが高校の場合は、一部の地域をのぞけば、全国的に各都道府県の棒グラフの高さがわりと安定している。

 高校の都道府県格差に比べて、義務教育段階の小中学校の都道府県格差は、かなり大きいと言える。