Q.菓子やカップ麺などの食品はコンビニやスーパーよりも安く売られています。なぜ、安く売ることができるのでしょうか。

大庭さん「ドラッグストアのメインの商材である医薬品や化粧品はともに、利益率が高い商品です。医薬品は販売に対する規制が多いことで新規参入しづらく、それにより、価格競争が発生しないため、高価格(定価)で販売することができ、高利益率になりやすいです。化粧品もブランド力が強く、値崩れしないため、同様に高利益率が確保できます。

そのため、ドラッグストアは食品や日用品の値段を下げて集客し、利益率の高い医薬品や化粧品のついで買いをしてもらうことで利益を得ているのです。食品や日用品を大量仕入れを行うことで仕入単価を下げることができることも、チェーンによる多店舗展開を行っているドラッグストアが安く売れる理由の一つです」

Q.ドラッグストアで売られている菓子はスナック菓子のような、消費期限が長いものが中心です。なぜ、ケーキやプリンなどのデザートを販売しているドラッグストアは、ほとんど見掛けないのでしょうか。

大庭さん「ケーキやプリンなどの生菓子は日持ちしないため、廃棄による原価ロスのリスクを伴います。現状のドラッグストアでは、日持ちする菓子やカップ麺、その他の日用品によって、十分な集客が実現されているため、廃棄による原価ロスのリスクを伴う商材を取り扱わない店が多いのではないかと考えられます。

また、商品を陳列するスペースには限りがあるため、安く販売できる菓子やカップ麺などの品ぞろえを充実させることで、集客力を高めることの方が効果的だという考えがあると思われます」

Q.酒類を販売しているドラッグストアもあります。薬とアルコールの組み合わせは危険な場合もありますが、その両方を同じ店で販売することに倫理上の問題はないのでしょうか。

大庭さん「ドラッグストアがビールを中心としたアルコール類を販売している理由も集客力を高めるためです。医薬品が人の健康を維持・改善するためのものである一方、アルコール類は健康を害する効果も含んだものであることも事実です。一見、倫理上の問題があるようにも映りますが、特売などで大量に酒類を販売したり、飲酒をあおったりするような売り方をしているわけではないので問題ないかと思います」

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