新型コロナウイルス禍の自粛生活の反動による「リベンジ消費」の後押しもあり、各百貨店でクリスマス商戦が活況を呈している。
巣ごもり需要で例年より価格が高めのクリスマスケーキの売れ行きが好調なほか、「自分へのご褒美」も含めたプレゼント用の高額商品の販売も伸びている。

「コロナで難しかった季節イベントを楽しみたいという声があり、それに応える商戦にしたい」。阪急うめだ本店(大阪市北区)の担当者はこう意気込む。

同店は催事場で「クリスマスマーケット」を25日まで開催。「想(おも)いを伝える幸せ」をテーマに、手書きでメッセージを伝えるためのカードなどをそろえた。

緊急事態宣言解除後、関西の各百貨店の売り上げは好調だ。11月の売上高(速報値)は、京阪神の主要9店全てで前年実績を1割以上上回った。
コロナの新変異株「オミクロン株」の懸念はあるものの、現状では各百貨店の客足に大きな影響は出ていないという。

各百貨店の担当者は「今年のクリスマスは25日が土曜日で日取りがいい」と口をそろえる。クリスマスの週末に家庭で少し高級な食べ物を楽しむ需要も大きいとみている。

阪急うめだ本店の担当者は「クリスマスケーキは店頭の混雑緩和のためインターネット予約を強化した。売り上げはケーキ全体で好調だが、特にネットが大きく伸びている」と声を弾ませる。

また、大丸心斎橋店(同市中央区)の担当者は「自宅で楽しむため、高額のホールケーキが好調」と説明。例年より早めの11月中旬から関連商品が動き出し、ケーキは4千〜5千円台が売れ筋という。

企業のボーナス支給時期と重なることもあり、自分用を含めたプレゼント需要も目立つ。
高島屋大阪店(同区)では、宝飾をはじめ、ブランドの時計やバッグなど高額商品の売れ行きがよく、デザイン性を重視したオーブンなどの家電製品も好調。
阪急うめだ本店では、昨年の同時期は化粧品が低調だったが、今年は外出機会が増えたためか一転して売れているという。

子供へのプレゼント需要も健在。高島屋大阪店の担当者は「おもちゃ売り場では年配の人が商品を選ぶ姿をよく見かける。店員から説明を受けて素材や安全性を確認し、プレゼント用に納得して購入したいようだ」と話す。
https://www.sankei.com/article/20211219-V47SIQJSXBJP7IRR5FMDOMR6U4/