暖房で電力需要が増える冬を迎え、電力各社が需給逼迫(ひっぱく)への警戒感を強めている。昨冬は寒波と燃料不足が重なり西日本を中心に電力需給が深刻な事態に陥った。今冬も厳しい寒さが予想されており、各社は液化天然ガス(LNG)在庫の積み増しや老朽化した火力発電所の再稼働など、安定供給のため準備を急ぐ。

 経済産業省の試算によると、今冬に「10年に1度の厳しい寒さ」が到来した場合、需要に対する供給余力(予備率)は来年2月、東京電力管内で3・1%となる見通しだ。安定供給の目安とされる3%をわずかに上回る水準で、想定外の事態が起きれば大規模停電につながりかねない。関西や中部、九州など6電力の管内は3・9%と4%を切る。

 電力大手でつくる電気事業連合会の池辺和弘会長(九州電力社長)は「この冬も需給逼迫が懸念される。引き続き緊張感を持って安定供給に支障を来さぬよう努めていく」と話す。

https://news.yahoo.co.jp/pickup/6412878