「物理的世界とデジタル世界が融合したメタバースと呼ばれる新しい形のインターネットを構築するための、メタ社の大きな一歩だ。アバターで最大20人の人々と場を共にし、ゲームをしたり、一緒に遊んだり、デジタル環境を自ら構築したりすることができる。また、人の体(アバター)に触れることもできる」と英紙「ガーディアン」は報じる。

だが早速問題が発生していたようだ。ホライズン・ワールドが一般ユーザーに開放される前、β版を利用していたテストユーザーが、プラットフォームのなかでセクハラを受けたことをメタ社に報告していたのだという。彼女はその時の体験をフェイスブックにもシェアしている。

「セクハラは一般的なインターネットでもおおごとだが、VRの中にいるとさらなるレイヤーが加わり、より強烈な印象を受ける。昨夜は見知らぬユーザーに体を触られただけでなく、その行為を煽るユーザーたちが周りで見ていた」

これに対し、メタ社は「ユーザーが脅威を感じたときに起動できる『セーフゾーン』を使用するべきだった」と答えている。「セーフゾーン」とは、危険を感じたときに自分のアバターをバブルの中に閉じ込める機能だ。バブルから出るまで、周囲のアバターから接触されることはない。

だが同社の対応に対し、「ガーディアン」は「被害者を責めているともとれる回答だ」と批判している。「道端で嫌がらせを受けたくなければ、女性は家にいればいいと言っているのと同じことだ。これは、昔ながらの女性差別をデジタル時代に再生産したものである」

なお、メタ社は「(セーフゾーンは)簡単に起動できる使いやすいものにしたいので、今回の声は私たちにとって良いフィードバックだった」とも語っている。

https://courrier.jp/cj/272178/