「南京大虐殺の死者30万人には根拠なし」と授業で発言した教員が猛批判を浴び解雇処分となった問題について「歴史的ニヒリズムは許さない」とする評論を掲載した。以下はその概要。

上海震旦職業学院の教師が先日、授業の中で「南京大虐殺で30万人が犠牲になったという数字には根拠がない」などと発言した動画が拡散してネット上で猛批判を浴び、学校がこの教員を解雇した騒動の余波がいまだ消えない。

ネット上では、南京大虐殺の犠牲者に疑問を持つという誤った主張を擁護するような雑音に加え、問題の動画をネット上で公開した学生の個人情報を調べてネットにさらす「人肉調査」の動きまで見られる。

そこからは、歴史的ニヒリズムという長きにわたる誤った社会の思考の流れは、主観的、客観的な存在条件が成立し続ける限り簡単には消え去らず、われわれは常に警戒をしなければならないということが分かる。

近年、一部の大学教員が授業の中で歴史的ニヒリズムに基づく発言をしている。今回の騒動は「学校は桃源郷ではなく、教壇ではなおのこと歴史に畏敬の念を抱き、歴史的ニヒリズムによる侵食を拒絶しなければならない」ということを改めてわれわれに喚起した。

学術研究にはさまざまな学術的視点、異なる学派が切磋わかに討論する環境があって然るべきだ。しかし、学術研究の旗印を掲げて学術道徳や憲法、法律に反するニセ学術行為に従事することには反対せねばならない。

南京大虐殺という事件に対し、是非をごちゃまぜにして混乱させようというのは断じて「学術問題」ではなく、歴史を虚無化し、記憶を捻じ曲げる「ニセ学術行為」なのである。

歴史をどのようにいるかで、未来の方向が決まる。歴史に対して曖昧模糊な向き合い方をしてはならない。歴史の真相を断固として守り、歴史的ニヒリズムに反対してこそ、われわれは正しい歴史感を持つことができるのだ。(翻訳・編集/川尻)

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